日
本人が知らない夏目漱石
夏目漱石を「小説の王様」と評す英国人の著者が、日本語で著した漱石文学論。
まず取り上げるのは、漱石自身は一番気に入っていたものの多くの批評家から失敗作とされた『門』。主人公が
日常生活から逃れて禅寺に入り、禅宗の示す公案という謎に向かうという小説の筋は難解、突飛とされてきた。
著者は、この作品が実はニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』という書物の影響を受けていると分析す
る。『門』以
前からニーチェ思想に触れていた漱石が、どのようにその考えを進歩させながら、『吾輩は猫である』『三四郎』『行人』などの作品に取り入れていったかを解
き明かす。
漱石作品はこれまで誤解されてきたとして、真のテーマ、意味を探る。